人生真剣道

私の誕生日に、ハンガリーに住む一人の弟子のメールを受け取った。それには、2002年にハンガリーにセミナーに行った時の事が書かれていた。真剣道の生徒たちと一緒に食事をしていた時に、生徒の友人がその場にいた。彼は日本に行き、禅の修行を数ヶ月していると言った。私の意見は、日本まで行って、禅をしているのは、禅の僧侶になりたいのか? それなら、禅の僧侶になる修行をするのも良いと思う。ところで、貴方たちが座禅をしている時に誰が食事を作っているのだ?これから先の生活はどうするのだ?ただ座っているだけでは食べていけないだろう。この言葉が彼にはショックだったらしい。そして現実に目が覚めたと言う。それから仕事を探して、その仕事で生きがいを見つけた。

多くの禅に関する本が出版されている。日本文化の紹介と言えばやたらに禅が出てくる。禅の教えで良い事と同時に方便も一杯ある。それらを一緒にして、禅に憧れのような物を感じたのだと思う。彼には、もっと現実を見て、将来を考えて、今何をすべきか考えるように諭した。その結果、彼は人生の真剣道を見つけた。

私の教えている真剣道は、肉体を使う剣の修行と共に、精神修行の大切さを学ぶ。その中で、人生の真剣道を教えている。人生の真剣道とは、自分の生き方を見つけて、自分の選んだ道を一生懸命、或は一所懸命に生きる事である。それが自分の為になり、人の為になるような生きかたであるなら最高だと思う。どんな職業を選ぼうとも、自分の人生の真剣道をしっかり生きて欲しいと思う。

人生真剣道